せどりのコンサルティングをしている中で
かなりの数の人が「売上管理表(仕入れ台帳)」を
つけていないという衝撃の事実に気がつきました。
販売数が月に10個程度であれば頭のなかで利益を計算できますが、
20個30個40個・・・と増えた時に「売上管理表(仕入れ台帳)」を作って
管理しないと正確な利益が計算できなくなります。
それこそ、月商100万円を目指すのであれば
1万円で売れる商品でも100個、
5千円で売れる商品であれば200個仕入れる必要があるので、
「売上管理表(仕入れ台帳)」は必須です。
始めたばかりの初心者の段階であっても
ビジネスとしてせどりをやっていく以上は先を見据えて
「売上管理表(仕入れ台帳)」をしっかりとつけることが重要です。
そこで、今回の記事では、
せどりの「売上管理表(仕入れ台帳)」について詳しく解説していきます。
目次
「売上管理表(仕入れ台帳)」を絶対につくるべき理由
冒頭にもお伝えさせていただきましたが、
「売上管理表(仕入れ台帳)」はせどりを始めた段階から必ず作りましょう。
その理由は全部で4つあります。
1.「利益」を正確に管理するため
2.「売れ行き」を管理し、必要に応じて損切りするため
3.「在庫」を正確に管理するため
4.「確定申告」を正確に行うため
これらについて、一つ一つ詳細に解説をしていきます。
1.「利益」を正確に管理するため
そもそも、ビジネスとしてやっていく以上「利益」をしっかりと
管理していく必要があるのはいまさら言うまでもありません。
せどりは「安く仕入れて高く売る」ビジネスなので、
・いくらで買ってきて(仕入れてきて)
・いくらで売れて
・どれくらい手数料や経費がかかって
・どれくらい利益が残ったか(または赤字だったか)
これらを計算するのは基本中の基本です。
特に、「手数料」や「経費」をザルで計算している人が多いので、
案外手元に利益が残っていなかったり、場合によっては赤字に
なっている人もいたりします。
一つ一つの商品の管理はもとより、
毎月ごとに売った全ての商品の集計を行って、
どれだけ利益が出ているか管理しましょう。
2.「売れ行き」を管理し、必要に応じて損切りするため
せどりを行っていると、どうしてもなかなか売れていかない
いわゆる「不良在庫」になってしまう商品が出てきます。
将来の値上がりに備えて在庫として寝かしていたり、
3ヶ月とか半年、もしくは1年間売れないのを覚悟であえて高値にしておく、
という形で明確な理由があれば話は別です。
が、基本的にはカードの支払いが来る前、
具体的には仕入れてから1ヶ月以内、遅くとも2ヶ月以内には
売り切って次の仕入れに資金を回したい!
という方がほとんどではないでしょうか。
そもそも、なぜ商品がなかなか売れないかと言うと、
・モノレートの売れ行きは良かったけど出品者が多かった
・一人の出品者が在庫を異様に多く持っていた
・仕入れた後に出品者がどんどん増えてしまった
・売る値段が高すぎる(俺様価格になっている)
・・・このように理由はいろいろあるかとありますが、
いずれにせよ売れない限り現金にならず、仕入れができなくなったり
場合によってはカードの引き落とし日に現金が足りない、という
最悪の結末になってしまう可能性もあります。
しかし「売上管理表(仕入れ台帳)」をしっかりとつけておけば
その商品がどれくらいの期間在庫として残っているか一目瞭然なので
ずっと残っている商品は値段を下げたり、最悪、ヤフオクに出品して
すぐに現金化することもできます。
特に、「家電」を中心に取り扱っている場合、
プリンターなど比較的大きな商品は「在庫保管手数料」が
月に500円以上かかることもザラなので、
3ヶ月売れないとそれだけで1,500円利益を圧迫します。
「売上管理表(仕入れ台帳)」をしっかりとつけておけば
どの商品が売れていないか一発でわかるので、すぐに対策を打てます。
せどりで失敗する人の多くが「商品を仕入れられない」か
「不良在庫を抱えすぎてカードの支払ができなくなる」かのどちらかです。
そうならないためにもしっかりと「売上管理表(仕入れ台帳)」に
こまめに記帳・チェックして管理しましょう。
3.「在庫」を正確に管理するため
せどりを始めとした物販を行う上で、「在庫」
すなわち手元に仕入れた商品がどれだけあるかを
把握することは非常に重要です。
これは次に説明する「確定申告」の話にもつながってきますが、
在庫管理が適当だと、正確な確定申告ができなくなってしまい、
場合によっては後で数十万円クラスの多額の追徴課税を
くらってしまう可能性があります。
また、せどり中級者~上級者になってくるとわかりますが、
「在庫総額(仕入れ値の総額)」を把握することで、
だいたいの「売上」と「利益額」を予想することができます。
たとえば、在庫で100万円持っていたら今月の利益は
だいたい30万円だな・・・、ということがわかります。
なので、30万円の利益を出したければ常に在庫を
100万円キープする、という目安ができるので
ビジネスがはかどります。
さらに、これはあまり大きな声では言えないのですが
AmazonのFBAサービスを使っている場合、
Amazonが納品した商品を倉庫でなくすことがたまに(結構!)あります。
セラーセントラルで在庫を見ることができるのですが、
納品したはずの商品がなくなっている!?
という経験をされた方も多いと思います。
この場合、ほぼ100%Amazonが倉庫でなくしています。
まぁ倉庫にもほんとうにたくさんの商品があるので
ときどき紛失してしまうのも仕方がないことだとは思います。
ただ、厄介なのは
「こちらが気づくまで、Amazonは何も言ってこない!」
ということです。
「売上管理表(仕入れ台帳)」と「セラーセントラル(出品者用管理画面)」の
在庫を照合すると、「セラーセントラルの在庫」に反映されていない
商品があることに気づくことがあります。
この紛失のタイミングですが、経験上以下の2つが多いですね。
・FBAに商品を納品した直後
・一度商品が売れて、なんらかの理由で返品されてAmazonの倉庫に戻った後
あと、これは驚異的なのですが
「今までセラーセントラルの在庫にあったのに、突然神かくしにあう」
という現象も何度か発生しています。
で、この「セラーセントラルの在庫画面」から納品した商品が消えた場合、
そのまま放置していてもAmazonから連絡は特にありません。
なので、自分が管理している「売上管理表(仕入れ台帳)」と
「セラーセントラルの在庫画面」を照らしあわせて、
なくなったと思ったら自分からAmazonに連絡する必要があります。
仕入れ値が安い商品ならいいですが、
仕入れ値が数万円のものとかなくされたら大変なことになりますからね・・・。
ちなみに、「在庫がなくなっている」旨をAmazonに連絡しても、
Amazonが見つけてくれるかくれないかは五分五分です。
Amazon側で紛失した場合は、いくらかは保証してくれますが
その商品のコンデションと過去の販売実績にもとづいての保証になるので、
仕入れ値を下回って損する可能性も大いにあります。
とはいえ、少しでも戻ってくる分マシではありますが・・・。
この辺は、また別の記事で詳しく書こうと思います。
いずれにせよ、FBAサービスを使っていて在庫は全て
セラーセントラルで管理できると思ってしまうと
とんだ落とし穴にはまるので、しっかりと自分でも在庫管理をしましょう。
4.「確定申告」を正確に行うため
「売上管理表(仕入れ台帳)」と「確定申告(税務)」の
関係は切っても切り離せません。
確定申告をするためには正確な「利益管理」が必要なのは
言うまでもないことだと思います。
また、商品の「仕入れ」は通常「経費」として計算されますが、
「決算期間(通常1月~12月)」を超えて在庫を保有した場合、
経費にならない、というルールがあります。
たとえば、ある年の1月~12月のせどりの売上が400万円だったとします。
そのうち、仕入れ等を含めた支出(経費)が200万円だったとします。
ただし、そのうち100万円が在庫だった場合の
その年の利益はどうなるかと言うと、
・400万円(売上)-200万円(支出)=200万円(利益)
となるかとおもいきや、そうではないです。
正しくは、
・400万円(売上)-100万円(支出)=300万円(利益)
ということで、100万円分の在庫は支出として計上されないため
利益は200万円ではなく300万円になります。
そうなると、その分税金が多くかかってきますが
ここを理解していないと少ない納税をしてしまい、後でそれが判明して
多額の追徴課税を取られてしまう、という事態になってしまいます。
(わかりやすくするために計算はかなり簡略化していますが)
まぁこの辺は税理士さんに全て丸投げしても問題ないですが、
そもそも「売上管理表(仕入れ台帳)」をしっかりとつけておかないと
税理士さんから「計算できません!」と突っ返されてしまうのでご注意ください。
「売上管理表(仕入れ台帳)」を作るその他のメリット
ここまでは「売上管理表(仕入れ台帳)」を作らなければならない
理由を書いてきましたが、実は、他にも副次的なメリットがあります。
まず、「売上管理表(仕入れ台帳)」を作って入力することに
よって圧倒的に「商品知識」がつきやすくなります。
「仕入れた時」と「売れた時」にそれぞれ
「売上管理表(仕入れ台帳)」に入力するので、
やはり記憶に残りやすいですね。
特に売れた時は、儲かったにせよ赤字だったにせよ
入力することで「感情的に」記憶に残りますよね。
「売上管理表(仕入れ台帳)」をしっかりとつけることで
具体的な商品はもとより、「儲かりやすい傾向の商品」も
だんだんとわかってくるようになってきます。
また、仕入れの際に「ランキング」を入れたり
どのくらいの期間で売れたか管理することで、
すぐに売れる商品、なかなか売れない商品の感覚が研ぎ澄まされてきます。
しっかりと「売上管理表(仕入れ台帳)」をつけることで、たとえば
「おもちゃは5万位くらいまでは1ヶ月以内に売れるな」
「本は20万位とかでも売れるな」
「ゲームソフトは新品だと1万位以下は厳しいな」
・・・といったことがわかるようになってきます。
このように、売上管理表(仕入れ台帳)をしっかりとつけることで
「仕入れの嗅覚」が研ぎ澄まされていって、長い目でみると
ものすごく貴重な財産になるのでぜひ取り組んでください。
「売上管理表(仕入れ台帳)」を作るデメリット
そもそも、「売上管理表(仕入れ台帳)」は必ず作らないと
ならないので、デメリットといっていいのかわかりませんが、
あえてあるとしたら「めんどくさい」という点だと思います。
入力に時間がかかるイメージがありますが、
ちゃんとした「売上管理表(仕入れ台帳)」を作れば
かなり商品数が多くても1日15分とか30分でおわります。
それでも面倒な場合は、入力自体は特に難しい作業ではないので
ご家族とか外注さんにお願いしてもいいと思います。
あとは、「どういった項目を入れて管理すれば良いのかわからない」
という声も時々いただきます。
これについては、私が管理している項目をまとめたものを
記事の下の方で書かせていただきます。
「売上管理表(仕入れ台帳)」を何で作るべきか?
「売上管理表(仕入れ台帳)」ですが
スマホのアプリとかいろいろありますがベストなのはエクセルです。
管理項目が多かったり、コピペなどの作業が必要になるので、
スマホアプリだと逆に時間がかかってストレスになります。
なので、パソコンで「エクセル」を使って行いましょう。
または、無料なら「グーグルスプレッドシート」が良いと思います。
個人的にはエクセルよりも使いづらいですが、
オンラインで共有できるので、外注さんにお願いする場合などは
「グーグルスプレッドシート」の方が便利かもしれません。
ちなみに、私はエクセルで管理しています。
「売上管理表(仕入れ台帳)」で管理する項目
「売上管理表(仕入れ台帳)」で管理する項目ですが、
基本的に以下のものがあれば十分だと思います。
※先頭の【必須】は必ず入れるべき項目で、【任意】は必要に応じて入れる項目
【必須】仕入日:その商品を仕入れた日
【任意】手法:せどりの手法(例:「店舗」「電脳」)。
→必須ではないが、入力しておくと後で分析する際に便利。
【必須】仕入れ先:どこで商品を仕入れたか?
(例:「イオン」「ヤフオク」「ソフマップ」)
【必須】決済方法:その商品を買う際に何で払ったか?
(例:「現金」「クレジットカード」「銀行振込)」
【任意】カテゴリ:仕入れた商品のAmazonのカテゴリ
(例:「DVD」「家電」「ドラッグストア」)
【必須】商品名:仕入れた商品の商品名
→Amazonのカタログに登録されている商品名をそのまま登録
【任意】大型商品:大型商品の場合、「○」を入れる。
→必須ではないが、入力しておくとFBAに発送する際に便利。
※大型商品とそれ以外の商品は納品先が違うことがあるため。
【必須】ASIN:仕入れた商品のASINコード。
→商品名は誰かがカタログをいじって変わる可能性があり、
後で探しても見つからないことがあるので、変わらないASINを登録しておきましょう。
【任意】登録日のランキング:仕入れた時のAmazonランキング。
→必須ではないが、入力しておくと仕入れの精度が上がる。
【必須】状態:Amazonに出品するコンディション
→「新品」「中古-ほぼ新品」「中古-非常に良い」「中古-良い」「中古-可」
【必須】仕入れ値:いくらで仕入れたか?消費税込みの金額を入力。
【任意】FBA発送日(出品日):いつFBA倉庫に発送したか?
→この項目と「売れた日」を入力しておけば、何日で売れたか商品の回転が一発でわかるので便利。
【必須】売れた日:Amazonに出品した商品がいつ売れたか?
→売れたらAmazonから登録したメール宛に通知が届くので、その際に入力。
【任意】売れるまでに要した日:「FBA発送日(出品日)」と「売れた日」で算出。
→必須ではないが、入力しておくと商品回転スピードがわかるので非常に便利。
【必須】売値:Amazonでいくらで売れたか?
【必須】Amazon手数料:Amazonの手数料はいくらかかったか?
【必須】送料(自己出品の場合のみ):商品発送の際、送料はいくらかかったか?
(自己出品の場合のみ入力)
【必須】利益:「売値」-「仕入れ値」-「Amazon手数料」-「送料(自己出品のみ)」で算出。
【任意】利益率:「利益」÷「売値」で算出。
※例:利益=2,000円、売値=10,000円だった場合の利益率は、
2,000円÷10,000円=20%
【任意】備考:仕入れや売った時の気付きなどを入力。
→必須ではないが、入力しておくと後で振り返る時に便利。
その他、エクセルの計算式を組むことが得意な方であれば、
以下の項目を入力しておくと全体が見えて便利です。
在庫点数:現在、在庫を何個持っているか?
在庫総額:現在、在庫の総額(仕入れ値の総額)はいくらか?
→これを持っておくと、在庫が100万円だから今月の利益は30万円程度だな、
という形で予測がつきます。
累計売上:今年(1月1日~本日まで)の累計売上はいくらか?
累計利益:今年(1月1日~本日まで)の累計利益はいくらか?
利益率:今年(1月1日~本日まで)の利益率は何%か?
「売上管理表(仕入れ台帳)」にデータを入力するタイミングは?
「売上管理表(仕入れ台帳)」を開いて入力する
タイミングは大きく分けて3つです。
1.商品を「仕入れた」とき
2.商品が「売れた」とき
3.月が締まって「集計を出す」とき
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
1.商品を「仕入れた」とき
まず、商品を仕入れた時ですね。
売上管理表(仕入れ台帳)の
「仕入れ日」~「仕入れ値」までを入力しましょう。
2.商品が「売れた」とき
次に、商品が売れた時です。
商品が売れて出荷が完了すると、
セラーセントラルに登録したあなたのアドレス宛に、
「FBA注文の商品発送のお知らせ」というメールが届きます。
その後、セラーセントラルにログイン→売れた商品を表示して
「売り上げ」や「Amazon手数料」を入力していきましょう。
3.月が締まって「集計を出す」とき
最後に、毎月の集計として、月にどれくらい利益が出て、
利益率はどのくらいで、在庫残はどれくらいなのか、
というものを見ていきましょう。
エクセルの「集計機能」を使えば、
「売れた日」を該当月でフィルターをかけることで
月の収益を一発で出すことができます。
「売上管理表(仕入れ台帳)」に関するよくある質問
「売上管理表(仕入れ台帳)」に関する
質問をいただいたので回答します(随時更新します)。
Q:FBA倉庫に納品するときの配送料や、ラベルシール・梱包材などの経費は
仕入れ台帳のどの項目に入れるべきでしょうか?
A:仕入れ台帳の中で計算すると若干複雑になるので、
仕入れ台帳とは別に月ごとの「収支管理表」を作って
そこで「経費(送料、備品代)」として計算しましょう。
※質問をいただければ随時更新していきます。
まとめ
「売上管理表(仕入れ台帳)」に関するまとめです。
せどりを行う以上、「売上管理表(仕入れ台帳)」は絶対に作って管理する必要がある
「売上管理表(仕入れ台帳)」を作ることで仕入れの嗅覚が鋭くなるメリットがある
「売上管理表(仕入れ台帳)」はエクセルで作るのがベスト
入力のタイミングは、「仕入れ時」と「販売時」と「毎月の締め」の3つ
「売上管理表(仕入れ台帳)」はせどりの「攻め」と「守り」でいうと
「守り」の要素が強いです。
しかし、ここが抜けてしまうと思わぬ落とし穴にはまって
ビジネスに大きな支障が出てしまうので、しっかりと管理していきましょう!
はじめまして。
売上管理表を作成したいと思い、こちらにたどり着きました。
すごくわかりやすく書いてあって参考にさせて頂きます。
見本のExcelの売上管理表の画像などよかったら見せていただけませんか?
パソコンにあまりくわしくなく、表を作る自信がなくて・・・
よかったらお願い致します。